あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いいたします。
別れさせ屋アクア一同、読者のみなさまのお悩みが解決する1年であることを心より願っております。
さて、本日は昨年の続きです。
「本音を聞き出す」ことが難しく、大事なことだと前回お伝えしました。
本音を聞くことが「難しい」の部分は想像していただければわかると思いますが、イマイチ「大事」なのかはわからないかもしれません。
今回はプロの別れさせ屋が「手に入れた相手の本音」からどんなことをするのかをご紹介します。
1:ターゲットへのアプローチが変わる
ターゲットが語った本音とは、ターゲット本人が多かれ少なかれ求めているものに他なりません。
別れさせ屋の担当者が「自己改善」など具体的なアクションの指針にするということは前回お伝えしました。
それ以外にも、ターゲットに対してアプローチしていくのに大活躍します。
工作員、依頼者さん、ターゲットの3人が登場する、もっとも簡単な例を考えてみましょう。
ターゲットと工作員が会うときのことを想像してみてください。
カフェでも居酒屋でも問題ありませんが、このとき、
工作員が知っていること
・依頼者さんの情報
・ターゲットの情報
となります。
工作員は調査スタッフからターゲットの情報を与えられていますし、当然依頼者さんの情報も持っています。
そして、「依頼者さんのことを知らないフリ」が工作員にはできます。
「知っているのに知らないフリ」と言い換えてもいいでしょう。
ターゲットはもちろん、工作員が依頼者さんの情報を持っていることを知りません。
そうなると、
工作員とターゲットが会うときにできること
・依頼者さんの失敗をフォローする
・依頼者さんのいいところを押し出す
という状況が生まれます。
過去に依頼者さんがしてしまった失敗(しつこくした、嫌がることをした、など)をフォローできます。
ターゲットのタイプによってどのようにフォローしていくかは様々ですが、依頼者さんと工作員がターゲットの中で結びつかないので「客観性を持った第三者の意見」として受け入れやすくなるのです。
すくなくとも、ターゲットは工作員が依頼者さんの味方だとは思わないでしょう。
2:気持ちを代弁する
すこしわざとらしいので注意が必要なのですが、フォローやアピール以外にも工作員が依頼者さんの気持ちを代弁することも可能です。
たとえば、工作員とターゲットのあいだで、依頼者さんの話をしているときに、
ターゲットは依頼者さんのことをしつこいと思っている
という話題になったとします(この場合、それまでの調査や工作で「しつこいところが嫌」という情報は得ていて、依頼者さんにも改善すべきということはお伝えしているはずです)。
ここで、依頼者さんが伝えるべきは
・反省している
・改める
ということです。
これを工作員が伝えることができます。
「さすがに依頼者さんも気付いていて、反省していると思う。連絡しづらくなっているような気がする」とターゲットに言っておき、依頼者さんへ一週間連絡しないでおいてもらうというお願いをします。
そうなると一週間は「本当に連絡が来ない」わけですから、工作員が言っていたことが肯定されます。
次に工作員とターゲットが会ったときにおそらくその話題になるでしょうから、「反省していると思うし、連絡してあげたら」とさらに押してみます。
反対に依頼者さんには、「連絡が来たらまずは謝る」ことをお伝えします。
ここで実際にターゲットが連絡をするかどうかは状況次第ですが(しない場合はべつの方向からアプローチします)、連絡をして依頼者さんが謝れば、それはターゲットに「反省している」と強く印象付けられます。
このときに工作員の言うことが正しいとターゲットが感じてくれて、今後もアドバイスを求められるまでになると成功までの道のりはとても想像しやすくなるでしょう。
ただ、そこまで理想的であるケースはそうそうありません。
そこまでの状況にはならなくとも、「反省している」という依頼者さんのことばの説得力が段違いです。
3:効果的な心理誘導
心理誘導、と言うとなにかマインドコントロールや催眠術のようなイメージかもしれませんが、騙したり、思い込ませたりするようなものではありません。
たとえばすごくうまくやれば依頼者さんが変わったとように見せかけることはできるかもしれませんが、本当に変わっていなければいずれ気づきます。
当たり前ですが、そうなるとうまくはいきません。
別れさせ屋が使う心理誘導は、変わったことを効果的にアピールできるという点において優れているのであり、変わってないものを変わったと思い込ませるようなものではありません。
すべて依頼者さん自身の変化に基づくものです。もし、自己改善をまったくする気がないのであれば、催眠術師さんにアポイントをとったほうがいいかもしれません。
その点を踏まえて、心理誘導と実際の行動を組み合わせるから効果的なのです。
これはテレビCMに近いかもしれません。
普通、テレビは家で見ます。
そのときにCMを見て、家を出て買いに行こうと思うことはほとんどないでしょう(私はいちどだけギリシャヨーグルトを即買しにスーパーに行ったことがありますが、人生の中でそれだけです)。
基本的にはスーパーに買い物に行ったときにCMで見たものを「あ、これCMでやってたな」と思って手に取るでしょう。
とても難しいビジネス用語でこの現象を説明することもできるらしいのですが、あいにく私にはそこまでビジネス知識がないので……。
まあ、とにかく、実感としてCMでよさそうと思ったものをスーパーで手に取ることはあるな、と思い出していただければそういうことです。
これを別れさせ屋へのご依頼に置き換えてみましょう。
たとえば工作員が依頼者さんの話をターゲットから聞いて、
「いい子だね、その子」
と言ったとしましょう。
でも、その段階ではターゲットが「いい子」だと思っていないかぎりは実感してもらえません。
これがアクションと誘導が重なったときに実感になります。
小さいころ聞かされたお母さんの小言をおとなになってから理解する感じですかね。
とにかく大切なことは積み重ねることです。
ただ「いい子」だと言うのではなく、
「ボタン直してくれたりするのって、いい子だよね」
と言って、ほつれたボタンが実際に直っている経験があると、
「そういえば、いつもボタン直ってる!」
と大きな共感を呼べます。
ボタンだけではなくて、ハンカチが新しいものが準備されているとか、シャツにアイロンがかかっているとか、お皿が洗ってあるとか、どんな小さなことでもいいのです。
そして、この心理誘導は工作員が絶対に必要です。
たとえば、自分で
「私はあなたに気遣いをしている」と自分で言って「ほら、ボタンも直すし」と続けたら、むしろイメージダウンです。
工作員という第三者がまず「いい子だよ」と言うから意味があるのです。
その積み重ねをいかにしていくかが大切です。
そんなこと考えてもいなかった、と絶望してはいけません。
そもそも客観的に見ている別れさせ屋と、自分自身の問題である依頼者さんでは立ち位置がちがうのです。
これは親身になるならないの話ではありません。
依頼者さんの悩みにはなるべく近く寄り添うことが別れさせ屋の仕事だと思いますが、依頼者さんの状況に対して主観的な見方をするのは優秀な別れさせ屋ではありません。
苦しさや悲しさは共有し、状況判断と今後の指針については客観的な説得力を持つ、というのが理想だと思います。
以上で別れさせ屋がプロのワザを紹介するコーナーは終了です。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
すこし自画自賛みたいになってしまいますが、プロの別れさせ屋はこういうことを考えて依頼に取り組んでいるのだということに触れていただければさいわいです。